昨日まで、普通だった。
それなのに今日は、
返信が一言だった。
絵文字もなくて、
温度が、少しだけ違う。
気のせいかもしれない。
でも、気のせいじゃないかもしれない。
それだけで、夜が長くなる。
昼間は、平気なふりができる。
でも夜になると、
また開いてしまう。
通知は来ていない。
画面の光だけが、
暗い部屋に浮いている。
もう一度、トーク画面を見る。
既読はついている。
返事は、来ない。
「何かしたかな。」
「送りすぎた?」
「重いと思われた?」
答えのない問いが、
夜の部屋を満たしていく。
そこまでするつもりじゃなかった。
ただ、あの人のことが好きで、
少し、気になっていただけなのに。
スマホを伏せる。
また起こす。
また伏せる。
それを何度も繰り返しながら、
時計だけが進んでいく。
彼は、たぶんどこかへ消えたわけじゃない
男性は、何かを抱えると、
静かに内側へ入っていく。
LINEが短くなったのは、
冷めたからじゃなく、
今は外に出せるものがないだけかもしれない。
消えたわけじゃない。
ただ、扉が今は閉まっている。
温度差だった。
理由がわかっても、
夜の孤独は消えない。
それでいい、と思う。
感情は、理屈じゃないから。
スマホを伏せて、
また手が伸びてしまう。
その繰り返しは、
弱さじゃない。
あの人のことを、それだけ考えているということだから。
余韻の中で
返信が来た。
短くて、
絵文字もなくて、
でも確かに、来た。
それだけで、
さっきまでの夜が、
少しだけ色を変える。
感情って、不思議だと思う。
たった一言に、こんなに揺れて。
たった一言に、こんなに落ち着く。
あなたの夜が、少し静かになりますように。